蝶のディテール 番外 アオオサムシ

蝶の羽には全体としての美しさの他に、鱗粉の配列が織りなす模様と色彩の中心となるディテールがあります。私たちを惹きつけてやまない蝶(及び番外)の魅力をシリーズでデザインのディテールから迫ってみました。 mats

鉱物標本の写真のようなキラキラと光る配列、いったいなんでしょう? (答)これはアオオサムシという甲虫の羽です。 オサムシ?一般的にはよく知られていません、というのもそもそも夜行性の肉食~雑食で、飛ぶのに必要な後羽が退化しているため殆どのオサムシが飛ぶことができず、夜地面をはい回っているだけなので知られていないのも無理ありません。アオオサムシは個体により緑色に変化があり(緑なのに「アオ」というのは昔、「青」の概念が現在の青~緑を含むものであったことからきているというのをこれまで何度か書きました。青汁、青信号と同じ例です)、なかなか美しいのですが、オサムシの仲間には特に北海道に宝石のような美麗種がいて学生時代に大雪山の麓でそのいくつかを見る機会があり、いぶし銀のような緑、青、赤、金緑の見事さに度肝を抜かれました。関連するエピソードを一つ:日本のマンガの草分けであり「鉄腕アトム」、「ジャングル大帝」など誰でも知っている作品の生みの親である手塚治虫は、若い頃に手描きの昆虫図鑑を作るほどの昆虫愛好家でした。そんなことから、オサムシの夜行性に自らの生活イメージを重ね合わせて、本名の治(おさむ)にわざわざ虫を加えて「治虫」としたうえに「おさむし」と読んでほしいと希望していたそうです。

生田緑地の枡形山で昼間に見つけた個体(4月下旬)。生田緑地ではよく見かけます。

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