探蝶漫遊記 ⑩かわいそう! マルバネルリマダラ (石垣島遠征)

冬枯れの期間が長くなりどうしても蝶の姿が見たくなったので2月10日から13日という日程で初めて石垣島に行ってきました。台北から約270キロという石垣島では「越冬」の必要がないため蝶たちは1年中、ある意味だらだらと世代交代を繰り返しています。それでも真冬・真夏の時期は余り活動しないため、いい時期に行ったわけではありませんが気温が上がるといろんな蝶が飛び出してくるのが確認できました。何回かに亘って旅日記風に紹介していきます。 mats

曇天で気温も上がらず蝶は殆ど飛ばなかったが、道沿いの下草の中で紫色に光るものが目に入り確認すると羽化して間もないマルバネルリマダラであった。ところが、アレッ?何か妙なのがくっついてる?ウンカの類と思われるが小さなセミみたいなのが頭部にへばりついて、ツメをたてていた。羽化したては体も柔らかいため絶好の餌食になったのかもしれない。

もう羽も伸びきっていたのでとまっていた小枝を揺らすとまだ軽快に飛べないらしくフワフワッと地面に舞い降り、その拍子にウンカは振り落とされたようだ。

羽を動かすと青紫の幻光が鮮明。30年近く前にグァム島の海岸近くにたくさん群れているのを見たことがある。

ウンカは消えたものの胸部の硬い膜がはがれていた。やっと羽化したというのに前途多難、かわいそう・・・因みにここで羽化しているし、時期によってはよく見られる蝶らしいのにまだ「迷蝶」(定着はしてないが台風等の風に乗ってやってくる蝶)扱いになっている。もともとフィリピン、マレーシア、インドネシア方面の蝶であり、迷蝶が定着蝶に格上げされるのには、はっきりした規則はなさそうだが20年間の継続発生というのがおおよその目安らしい。誰が決めるのかな?

林の木陰にウスイロコノマがいた。緑の葉にとまっているとわかるが枯れ葉の地面にとまられるとどのあたりにとまったか見ていても発見が困難なほど廻りに溶け込んでしまう。羽の表を撮りたかったのでちょっと脅かして飛び立つ瞬間を撮ろうとしたが、残念、何も写ってなかった・・・これにて二日目を終了。

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