探蝶漫遊記 ⑮毒蝶に擬態 シロオビアゲハ (石垣島遠征2)

今年の2月に訪れた石垣島、余り蝶が活動しない時期であることに加えて天候も良くなかったため撮り残した蝶が少なからずありました。そこで思い立って10月中旬に再訪したので何回かに亘って紹介します。尚、前回の石垣島遠征記は3月2日~4月6日(20回)に投稿しています。 mats

朝、観音崎近くのホテルの周りを散歩していると道路ぎわのハイビスカスにシロオビアゲハが二頭飛来していた。前がメスで後ろがオス、恐らく・・・というのも後ろがオスかどうか自信がない。シロオビアゲハのメスは前を飛んでいるタイプのベニモンアゲハ(最下段の2枚の写真)のような「紅紋」タイプに加えて、後方のまさに名前の通りの「白帯」タイプの2通りがいる一方でオスはみんな白帯タイプであるから。写真の紅紋タイプのメスは毒蝶であるベニモンアゲハに擬態して鳥などに捕食されるのを防いでいるらしい。一度ベニモンアゲハを食べた鳥は嘔吐して、これに懲りて二度とベニモンアゲハを食べなくなるとの説明がなされている。マダラチョウ類(紹介したツマムラサキマダラ、マルバネルリマダラなど。高尾山に多いアサギマダラも同様)も共通して幼虫の頃から貯えた食草の毒を蝶になっても持っていて身を守っているとされている・・・それにしても、この二つのタイプは遺伝的なものであることは明らかなので、擬態の説明も「それなら全てのメスが紅紋タイプであったらもっと効果的ではないのか? 白帯タイプばかり捕食されたらメスは結局、紅紋タイプ化してゆくのではないか?」などと小さな疑問が湧かなくもない。

↓ ベニモンアゲハ(バンナ公園) ハイムにもいるジャコウアゲハと同じウマノスズクサの毒を蓄積する。

↓ ベニモンアゲハ これは昨年宮古島で撮影したもの。センダングサで吸蜜

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