これは驚き、ハンミョウ

昨日のmatsさんの記事を見て、なにやら急に少し書いてみたくなった。

ハンミョウについては、matsさん同様、子供の頃の思い出がある。この虫は神社などの固く乾いた地面の上を陽射しを浴びてあやしい輝きを見せながら低く飛びまわっていた。飛ぶと言っても、どちらかと言えば地面を這うように低く「跳ぶ」という感じだ。じっとしているので捕まえようと網を持ってそっと近づくのだが、すぐ感づかれてしまいさらに2-3m先までさっと逃げて、まるで小馬鹿にしたようにこちらを見ている(その頃の筆者にはそう思えた)。また、近づこうとするとまたもや逃げられる。これを何度繰り返してもなかなか子供の網にはかからなかった。だからこそ、子供にとっては余計にあの輝きを手に入れたかったのだ。

それと、その頃面白い遊びもしていた。ハンミョウが飛び跳ねている乾いた地面に直径3mm程度の穴があちこちに空いていて、その中には一風変わった面白い虫がいる。子供の頃はそれをなぜか「アマンジャク(あまのじゃく)」と呼んでいたが、全国共通の呼び方は知らない。その虫を穴から釣り上げる遊びなのだ。松葉をその穴に差し込んでしばらく待つと、その松葉が少しずつ押し上げられてくる。そのころ合いを見て一気に松葉を引き上げると、端に喰いついた奇妙な虫が釣り上げられるのだ。それがハンミョウの幼虫だとは知ったのはもう少し後になってからだった。半世紀以上前のファミコンもなかった時代、筆者はこの遊びをとても気に入っていた(多分、今やってもなかなか面白いと思う)。この幼虫は尻に近い背中の部分に突起があり(少し「く」の字に曲がっていて)それを使って穴を上下しているようだ。そして、アリなどの虫が穴の近くに来ると穴に引きずり込んでエサにする、肉食系の獰猛なやつなのだ。しかし、人間の子供はもっとワルだ。ただ釣り上げるだけでなく、釣り上げた虫を頭から別の穴に押し込んでやる。何という遊びか・・・。

というようなわけで、筆者自身、ハンミョウは地面と切り離せない存在として見てきた。しかし、その日そんなハンミョウがまさしく高く飛んで何と木の葉に止まるのを何度も見たのだ。もちろん活動の主な場所は地面だとは思うが、高い木の葉にも止まるのを初めて見て、正直少し新鮮な驚きを覚えた。冒頭の写真がそれだ。ただ、止まった位置が悪く、体全体が見えないが、ハンミョウだとお分かりいただけると思う。

(Henk)

 

 

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