科捜研の女~渡り蝶の秘密(2)蝶の標本の謎

襲われた花森教授の意識が戻らない中、土門刑事らの捜査により、事件前の教授の行動が明らかになる。とある女とバーに行き、そこで「6年前の罪について告白したい」と語っていたことがわかる。

女の正体はいったい誰なのか?そして、教授の告白しようとした「6年前の罪」とは何を意味するものなのかを解明しなければならない。しかし、教授の意識はまだ戻らない。この点が明らかにならないと事件の真相はつかめそうもない。

事件現場に落ちていた蝶の標本に書かれていた日付と名前はこうだった。
「日付は2012年9月3日」名前は「宮内あすか」その間に「JH」の文字……。
6年前といえば2012年…。

マリコは土門と一緒に、宮内あすかに会いに行く。

「アサギマダラと言う蝶だそうですね。」
「はい。私の命を救ってくれた蝶です。」
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(回想シーン1:礼子と教え子の子供たち)
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(礼子) 「ヨーロッパのロマン主義は、日本の詩人たちにも大きな影響を与えたの。 じゃあ この詩を…宮内さん 読んでくれる?」

「はい。」(あすか)

「わたしみづからのなかでもいい」

「わたしの外の せかいでも いい」

「どこにか “ほんとうに 美しいもの” はないのか」
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(回想シーン2:教授と教え子の子供たち)
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「アサギマダラは渡り蝶なんだ。秋になると 南に向かって何百キロも旅をする。海を越える事さえあるんだよ。」と教授。

「すご~い。」と少年。「でも どうして 旅してるってわかるんですか?」

「ナイスクエスチョン!その秘密はね……マーキング追跡。」
「標識コードは…そうだな、城南病院だから JHにしようか。」
「あとは 自分の名前ね。」

「字を書いてもちゃんと飛べますか?」
「心配ご無用。蝶の飛行にも健康にも、マーキングは 一切 影響しないっていう事がわかってる。」
「よし。 これを誰かが捕獲して研究機関に届け出てくれれば…。」

「どれくらい飛んだかわかる!」
「そういう事! 」
そして、あすかは、アサギマダラを放った。願いを込めて。
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「あの日 思ったんです。この蝶が無事に旅を終え新しい世界にたどり着けたなら、私も きっと 病気を克服できる。生きていける。頑張って! 生き抜いて!」と。

マリコと土門は、現場に落ちていたアサギマダラの標本に書いてあった文字の意味は理解することができた。

しかし、そのことが、傷害事件とどう結びつくのか。それがわからない。

~つづく~

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