蝶の成虫の食べ物は、花の蜜(みつ)や樹液(じゅえき)熟した果物の汁、動物のふんなど、蝶の種類や季節によってさまざまです。

めすの蝶たちは、葉っぱに卵を産みつけますが、産みつけるはっぱはどれでもいいという訳ではありません。蝶の種類によってそれぞれ好きなはっぱがあります。その植物は「食草」あるいは「植樹」と呼ばれています。

めすの蝶たちは、飛びまわりながら植物の色や形や大きさなどを見ながら探し、自分の好きな食草の発する特有のにおいに引き寄せられて近づいていきます。

例えば、アゲハは山椒(サンショウ)の葉が大好きです。山椒の葉にとまろうとしているアゲハを見てみると、簡単にはとまりません。2本の前脚を交互に動かしてあちこちの葉っぱの表面をたたくようにしています。いったい何をしているのでしょうか?

実は、アゲハは、2本の前あしで特別な味の成分があるかどうかを確かめているのです。トゲがあって、できるだけ強いにおいがする葉っぱを選んで卵を産みつけます。

多くの蝶はアゲハのように自分の好きな葉っぱを丁寧に選びますが、中には、飛んできてあまり時間をかけずにいきなり卵を産みつける蝶もあるようです。

このように食草の確かめ方はまだ全てが明らかになっていませんが、どの蝶もそれぞれの方法で驚くほど正確に自分の好きな食草を見つけるのは自然の不思議です。

ベニシジミは酸っぱい「スイバ」が好きですし、ヤマトシジミはもっと酸っぱい「カタバミ」が好きです。これに対して、牧場の牛や羊は酸っぱい味は嫌いなので牧草に混じったスイバやカタバミは殆ど食べません。たくさん食べてしまうとお腹を壊します。このような酸っぱい味のする植物は含まれた強い酸で自分たちの身を守っています。

モンシロチョウは、キャベツやブロッコリー、カブ、コマツナ、大根などが好きです。アブラナ科の植物は、動物や虫にかまれるとカラシ油という辛い成分を作り出して食べられるのを防いでいます。動物が嫌いな味の植物を蝶が好きで食べるのも不思議ですね。

花を咲かせ実を結ぶ植物は、種を作るためにチョウやハチには受粉を手助けしてもらうという重要なポイントがあります。動物が嫌いな酸味や辛味の成分を持ち、食べられないように自分の身を守っていますが、蝶とは持ちつ持たれつの特別な関係があります

時の経過とともに、特定の植物の作り出す毒や嫌いな成分を分解したり体の外に出すようにして負けない能力を身に着けた幼虫が現れるになったと思われます。そのために、アゲハと山椒、ベニシジミとスイバ、ヤマトシジミとカタバミのように、いろいろな蝶がそれぞれの決まった種類の食草だけを食べるようになったのです。

もっといろいろな蝶がどんな食草を好むのか調べてみるのも面白いですね!

(八咫烏)

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