ヒゲナガの手乗り

先日、ギンイチモンジセセリの手乗りを成功させたあと、次は何を狙おうかと考えていた。思いついた一つの候補が、今ちょうど最盛期を迎えようとしているクロハネシロヒゲナガである。4月中旬から出始めたが、非常に神経質そうに、ちょっとした風にも吹き飛ばされそうに、ひ弱な飛び方をする小さな蛾だが、しかしなかなか止まらず写真を撮るのに一苦労していた。ともかく、一度この手乗りに挑戦してみようと思っていた。

今日(4月27日)、夜来の暴風雨も上がったので多摩川に出て歩き回ったがどれもオスばかり。なかなかメスにはめぐり合わなかった。草むらでヒメウラナミジャノメを見つけ追っている時、偶然一角に咲いていたハルジオンの花に止まってたくさんのヒゲナガが吸蜜しているのを発見。そこにはオスもいるがメスがたくさんいる。これまでの草むらの中のオスのようにヒョロヒョロ飛び回らずに花の上で一心不乱に吸蜜している。メスは、触角を見れば一目でわかる。オスのように長くなく、付け根の部分がしっかりと太く先の白髭部分が非常に短い。彼らもこうやってチョウのように吸蜜するのだと、蛾である以上当然のことなのになぜか感心した。今日は、今までに見たことのなかった吸蜜の姿も撮ることができたが、それはまた別の機会にご紹介しよう。

ともかく、舞台と役者は揃ったので、まずは念願の手乗りに挑戦だ。そこで、先のギンイチでやったように、メスのクロハネシロヒゲナガが吸蜜中のハルジオンの花をそのまま下からそっと持ち上げて千切ってみた。その際、花がかなり揺れてしまったが、意外にも逃げない。これは行けそうなので、花を少しずつずらしてみたら、吸蜜を中断されたにもかかわらず、素直に手の方に乗り移ってきたではないか。まさか? 余りに簡単すぎるではないか、という感じだが、同じ手法で何度も手乗りに成功した。
では、その過程を左上から順にどうぞご覧ください。(最後の一枚は、手を離れ飛び立った瞬間。画面の上部にぶれてはいるが姿が見えるでしょうか。)

なお、冒頭の手乗り写真はオスです。これで、雌雄の触角の長さの差がお分かりになると思う。

(Henk)

 

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