寄生されていたアオスジアゲハ

9月の上旬にハイムのヤブニッケイでアオスジアゲハの終齢幼虫を2つ見つけ観察をしていました。しかし、そのうちの一つは鳥にでも捕食されたか突然姿を消し、残る一つは数日後に前蛹に、そして翌日には蛹になりました。鳥にも喰われず蛹になったまではよかったのですが、よく見ると中が透けるような薄緑の体に何カ所か黒ずんだ部分が見えるのです。さては、寄生されていたかとちょっと残念な気持ちになりました。さらにその1週間後にはその蛹は全体に黒ずんできたので体の反対側も見てみると、そこには大きな穴がぽっかりとあいて、寄生していたハチかハエかが中身を食い尽くし羽化して既に出てしまっていました。何という早業でしょう。彼らは寄生主を殺さずに蛹になるまで生かし続け、体を幼虫のエサとして利用するのです。その技の巧みさには舌を巻かざるを得ません。この手口で今年も一時的なオアシスで野外観察中のアゲハ・カラスアゲハなどの幼虫・蛹が随分被害を受けました。

終齢幼虫(ヤブニッケイの葉の上で)

前蛹(この時点では寄生は確認できなかった)

蛹(寄生の証拠、黒い影が見える)

穴の開いた蛹

(Henk)

参考 蝶図鑑 アオスジアゲハ

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