一時的なオアシス 9 (チョウ能力)

このところオアシスに訪ねてくるチョウの種類が減ってきたように感じていたところだが、今日は面白い発見があった。たくさんの植木鉢に様々な植物が植えられて一時的なオアシスになっているが、チョウは自分の幼虫が食べられる食草をその中からどうやって選び出すことが出来るのか?その方法は既に科学的に解明されているが、小難しいことはひとまず置くことにする。

このアゲハはこの羽状複葉の植物が非常に気に入ったようだ。

何度も産卵のポーズをする。この日、1頭のアゲハのメスがあたりを飛び、ある一つの植物を見つけ、しきりに産卵しようとしている。何度も周りを飛びその植物の葉に前足でチョンチョンと確かめるように触れながら何度も産卵のポーズをとる。アゲハと言えば誰もがサンショウとかミカンなどの柑橘類を食草としていることは経験上も知ってはいるが、筆者自身アゲハがなぜこの植物にそれほどご執心なのかその時はちょっと理解が出来なかった。葉っぱを見ても柑橘類には見えないし、葉っぱの香りも柑橘類とは思えなかった。まして、すぐそばにはサンショウやらミカン類がたくさんあるのにである。だが、念のためグーグルレンズの世話になったところ、その植物は「ゲッキツ(月橘)」というミカン科ゲッキツ属の植物だと分かり、納得。アゲハの食草判別能力、恐るべしである。これぞまさに超(チョウ)能力というべきか。
しかし、である。後でアゲハが卵を産んだかどうか確認したのだが、卵は見つからなかった。産んでいなかった、産むような動作をしていただけのようだ。なぜだろう? 柑橘類である確認はできたが、この南方系の植物にもう一つ慣れておらず、最終的に自分の子供の命を託す踏ん切りがつかなかったためか。もう少し観察する必要がありそうだ。他のゲッキツには産んでいるのかもしれない。
なお、後でこのオアシスを一回りしてみると、何と同じこのゲッキツを育てておられる方が意外と多く10株以上あることが分かった。観葉植物の愛好家はいるものである。知らなかったのは筆者だけのようだ。

(Henk)

参考 蝶図鑑 アゲハ

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