一時的なオアシス 12

寄生されていたカラスアゲハの二つの蛹から出てきた蛆(ウジ)はすぐ蛹になった。楽しみにしていた初めてのカラスアゲハの飼育を途中で無残に中断されてしまった腹立たしさを感じながら、ともかく寄生したのはどんな奴なのか確かめようと、そのヤドリバエらしい蛹8個を瓶にて様子を見ることにした。それが6月7日のこと。そして、6月18日ついに寄生していた張本人の1匹が姿を現したのだ。瓶のガラス越しなので鮮明ではないが、割と大型のキンバエやニクバエほどの大きさの地味なハエだった(上の写真)。これが、期待をして育てていたカラスアゲハを殺した張本人だったのだ。後の7個の蛹はまだそのまま、羽化の兆候はない。

自然の中では生物がそれぞれの戦略・戦術を巡らしながら生き残ろうとしのぎを削っていて、これはその中のほんの一コマに過ぎない。このケースはチョウがハエに寄生される形で見事に利用されたわけだが、このハエにもおそらく何か天敵はいるはずだと思い調べたら、やはりいた。オオミノガ(ミノムシ)に寄生するオオミノガヤドリバエというヤドリバエに寄生するキアシブトコバチという寄生蜂がいるらしい。だから、このヤドリバエもこの種の寄生蜂には気を付けなければならないはずだ。また、そんな寄生蜂にさえもさらに寄生するハチもいる。上には上、またさらにその上がいるものである。自然は巧妙に出来上がっている。しかし、寄生こそしないが、彼らの最も警戒すべき究極の天敵はやはり我々人類ではなかろうか・・・。
チョウの飼育からすっかり話はそれてしまった。

(Henk)

参考 蝶図鑑  カラスアゲハ  「一時的なオアシス 11」

 

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