飼育中のコムラサキ(5)閲覧注意

決めた葉の上で動かなくなっていたが、4月5日の昼過ぎから再び動き出し、蛹に向けての最終段階に入ったようだ。

見ると体が少し変化し始めているようだ。以前の濃い緑のざらざらした感じが消え薄緑かヒスイ色のような感じに変わり、おまけに体の中まで透けてきて、体内の動きもかすかに見えるほどだ。そして、止まっている葉と葉柄、さらにその先の枝を行ったり来たりしながら糸を吐いて丁寧に補強をしている。それを延々と繰り返す。体も少し縮んだようだ。光に透かして見ると尻尾の先端近くの体内に糞らしいものがまだ黒く残っているのが見えるので、これを全て出し切るまでは蛹にはならないだろう。

結局、5日の夕方ついに前蛹の姿となって、葉と葉柄の境目あたりに体を固定して逆さにぶら下がった。

しかし、コムラサキはここからがとても速かった。なんと6日の夜にはもう蛹になってしまったのだ。速いとは聞いていたが、まさかこんなに速いとは思わなかった。前蛹期間はたったの1日。筆者としては蛹になる瞬間を見たかったのだが、それは見事に失敗した。この日の夕食前にはまだ前蛹だったのだが、夕食を終わったので早速見てみるともう蛹になっていたのだ。ジャコウアゲハなどは前蛹になってから蛹になるのに1週間以上かかっていたので、驚きの速さだ。

これが、後に残された幼虫時代の抜け殻だ。何とも愛嬌のあるお面だ。それにしてもこのお面と蛹の形は似ても似つかないが、なぜこれほどの変化が必要なのだろうか。

(Henk)

参考 蝶図鑑 コムラサキ

 

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