何だろう?この白いものは・・・

自然の中には不思議なことがたくさんありますが、この白い得体のしれないものは何でしょうか?アブラムシが秋口に白い綿毛をまとってふわふわ飛ぶのはご存じかもしれません。また、白いロウをまとったカイガラムシもご存じかもしれません。この白いのはそれらにも似ていますが、もう少ししっかりとした量感があり、じっと見ていると芋虫が這うように白いものをまとったままモゾモゾ移動するのです。

実は、これはアゲハモドキという蛾の幼虫なのです。白いのは幼虫が体から分泌しているロウでできており、ふわふわしています。これを剥がせば下には意外とほっそりした芋虫のような体が隠れています。このように幼虫も一風変わっているのですが、この成虫もまた一味違う存在なのです。一見、ジャコウアゲハと見まがうほどの擬態の名手です。

 

蛾は大体夜行性のものが多いのですが、アゲハモドキは昼間黒い翅を大きく広げて木の葉の上などに堂々と止まっているのが見られます。そんなにしていて鳥などに狙われたりしないのでしょうか。それは大丈夫、彼らには自信があるのです。ジャコウアゲハが幼虫時代から体内に毒を蓄えているのを鳥は知っており、決して食べようとしません。アゲハモドキはなぜか(この点も大いに不思議です)そのこと知っていて、ジャコウアゲハそっくりに擬態することで天敵から逃れるという高等戦術を身に着けているのです。
因みに、ジャコウアゲハの姿はこうです。非常によく似ていると思いませんか?擬態としては100点満点と言えるでしょう。

(Henk)

参考 蝶図鑑 ジャコウアゲハ

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