ジャコウアゲハの悪い習性

ジャコウアゲハの幼虫は白とこげ茶色の2色で、体中にイボのようなやわらかい突起があり、ややグロテスクな感じがします。どことなくナマコに似ていなくもありません。何か危険があるとしばらく全く動かなくなりますが、普段は這うスピードはこの種の幼虫としては意外に速いほうです。食草であるウマノスズクサに複数の幼虫がいる場合には、面白いことが見られます。
お互い対抗意識があるようで、お互いが食べるに充分な葉っぱがある場合でも、相手が食べている葉の茎の部分を途中からがりがりと齧り、あっという間に噛み切ってその枝先を切り倒してしまいます。下の写真が噛み切った瞬間で、右下にもう一匹のライバルの幼虫がいるのです。なんというタチの悪い習性でしょう。

自然の中だと、近くの別の株に移動すればいいのですが、飼育していると、充分な葉っぱがあると思っていても、枝の途中から噛み切られると、とたんにエサが思ったより早く枯渇してしまいます。また、すぐにエサの調達に多摩川土手まで走らされることが度々でした。

(Henk)

参考 蝶図鑑 ジャコウアゲハ

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