今日は、今年初3種

どういう風の吹き回しかと思われるかもしれないが、筆者も急遽「チョウ類トランセクト調査」というのをやることになった。主催は日本チョウ類保全協会で、欧米などでは既に広く実施されているチョウ類のフィールド調査の一手法だが、それを今年から始めることになった。ご近所に住んでおられる同協会の会員Sさんと多摩川土手でお会いした時、彼から勧められその場で調査に参加することに決めたのである(実は、筆者も相棒のmatsさんも新米ながら同協会会員)。要は、チョウの棲息状況(種類・目撃数など)を決められた方法で定期的に調査することになる。このような調査を継続することで、チョウの種類・棲息数の増減などから環境の変化なども読み取る(いわば環境のバロメーター)こともできるし、数を減少させて近い将来絶滅に瀕する恐れのある種などの保護活動にも資することが出来る。地味だが、誰かがやらねばならないことでもある。今日(4月17日)、試しに設定コースをその調査目的で歩いてみた。殆ど毎日のように歩いている区域内のコースだが、なぜか新鮮に感じられた。そして、歩き終わり、調査とは別に自身の興味から調査コース外の河川敷をしばらく歩きまわった。

その結果だが、コース内で2種の今年初(ツマグロヒョウモンのオスとコミスジ)に、そしてコース外ではあるが、ずっと心待ちにしていた今年初のギンイチモンジセセリに出会えた。ということで、今日は3種の今年初に出会えた。

ツマグロヒョウモン(オス)

コミスジ

ギンイチモンジセセリ

このギンイチモンジセセリは、中野島では19年秋の多摩川大増水で数を減らし直近の2年は年1回しか見られていない。この地域での絶滅さえ危惧されていた。それが、今日3-4頭一度に見ることが出来た。見つけては見失い、また別の場所でも見つけるが、ヨシの茂みに巧妙に逃げ込まれまた見失ってしまう。ヨシ原は歩きにくくをカメラ片手になかなか追いつけるものではない。何とか止まってくれても、カメラと被写体の間に密集したヨシの茎や葉で視界が遮られ、ようやくカメラを構えても焦点がなかなか上手く合わせられない。これを何度かあちこちで繰り返したあげく、何枚か写真に残すことが出来た。その途中で、普段はひ弱な飛び方をするギンイチモンジセセリが、何と2頭でバトルをしているところも目撃できた。バトルとなると普段の飛び方ではなく、急にスピードが速くなる。立派にそんな素早い飛び方もできるのではないか。これは非常に興味深かった。あのひ弱な感じでヒラヒラ地面を這うように飛ぶのは密集したヨシの茎を上手くすり抜けてヨシ原の奥へ奥へと飛びながら逃げる飛び方なのだと納得した。

そして、その場でそれをmatsさんに電話したところ、「さっき、近くで撮ったよ。」との涼しい声の返事。それが先日のmatsさんの記事である。その意味で、これは二番煎じになってしまった。筆者が調査コースを歩き始めた時、朝早くから来ていてもう帰宅途中のmatsさんとすれ違ったのだが、彼はその直後筆者の所よりももっと開けた場所でギンイチモンジセセリに出会えたらしい。

今日だけで都合4-5頭の個体が確認されたということになり、実際にはもっと発生していることも考えられるので、絶滅の縁から抜け出せたようにも思えるが、どうだろう?まだまだ、安心はできないか・・・。

(Henk)

参考 蝶図鑑 ギンイチモンジセセリ

 

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