オオムラサキのミネラル摂取

オオムラサキが羽化する時期を狙ってmatsさんとはこれまで何度も山梨県のとある場所を訪ねています。羽化したばかりのオオムラサキがもう使われなくなった炭焼き小屋や廃屋にたくさん集まって、さかんに辺りを舐めまわしているのを見てきました。また、水分が殆どなさそうな乾いた地面や岩やコンクリートがむき出しになっているところなどでもよく見かけました。しかし、不思議なことにある時期以降は、その場所では全く姿が見られなくなります。一時期そこに集まっていたのは殆どがオスで、おそらく何か必要なミネラル(幼虫時代にエノキの葉からは得られなかったミネラル)などを本能的に摂取していたようで、その後はあたりの樹液が出る場所やメスを探してひろく分散してしまったようなのです。

そして、その時の様子がとても興味深いものでした。長い黄色の口吻を伸ばしているのですが、乾いたところをただ舐めているのではなく、どうも唾液で濡らしながら舐めているようなのです。建物の乾いた古い木製の手摺に止まっているのですが、口吻の周りだけがうっすら濡れているのがわかるでしょうか。蜜とか樹液ならただそのまま舐めたり吸い取ればいいのでしょうが、乾いたところではそうは行きません。やはり、(多分)自ら唾液を出しながらそこにある何かを摂取しているようです。それは、下の写真でも同じで、乾いたコンクリートに口吻が触れた周りが濡れています。おそらく、これがカラカラに乾いたところから必要なミネラルなどを含んだものを摂取するチョウのやり方なのでしょう。

(Henk)

参考 蝶図鑑 オオムラサキ

 

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