飼育中のコムラサキ(7)

蛹の殻が割れ始めてからわずか10分ほどで、チョウは蛹を出て縮んでいた翅を一応完全な形にまで伸ばすことができた。その伸びた翅が完全に固まるまではもっと待たねばならないが、それとて3時間程度。9時半頃から始まり、12時半頃我が家から元気に飛び立っていた。その間、カメラを構えて時々の表情を撮っていたが、羽ばたきの予行演習のようなことも殆どやらず、大きく翅を開いたところをなかなか見せてはくれない。

コムラサキの一つの大きな特徴と言えば、その翅の怪しいまでの青いメタリックな輝きだが、太陽の位置とチョウの向きで見え方が大きく変わる。指に乗せいろいろ角度を替えながら、全部の翅が最も青く光る向きを探した。少し見る角度が違うだけで片方の翅しか青く見えず、他は黒く見えるだけ。そして、短い時間だったが飛び立つ少し前に翅を開き陽の光を浴びて怪しい青い幻光を見せてくれた。チョウが太陽の光を前方斜め上から浴びているところを、チョウの前から見るのがコムラサキの場合は良さそうだ。だが、自然の中で出会った場合にはそうもいくまい。注文を付けずに出会った角度でシャッターを押すしかないだろう。

(Henk)

参考 蝶図鑑 コムラサキ

 

飼育中のコムラサキ(7)” に対して3件のコメントがあります。

  1. あさぎ より:

     オオムラサキよりもきれいな青色ですね。

     岡本太郎美術館のカフェの近くの階段の滝に蝶が水を飲みにやってきます。「蝶のカフェ」とも言えるし、川崎の文化と自然の豊かさを象徴している気がするので川崎市の職員を含め知り合いに紹介しています。
     給水している蝶と美術館のカフェを同じ写真に入れたいのですが、なかなかうまくいきません。
    写真が趣味の方の大変さが少しわかりました。
     

  2. Henk より:

    あさぎさん
    コムラサキのメタリックな青は何とも言えず怪しささえ感じます。
    あの階段横の水の流れている所では暑い日にはよくチョウの吸水が見られます。
    私も今度機会があれば、あのカフェと一緒に狙ってみます。チョウに焦点を当てると多分背景のカフェは殆ど写りませんね。階段になっているところが曲者だし、どの位置で吸水するかも問題。まさか、チョウにここで水飲んでとも言えないし・・・(笑)。

  3. あさぎ より:

    メタリックという表現いいですね。アオスジアゲハの水色もそうですね。

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