意思疎通できた?コムラサキ

初めて多摩川河川敷でコムラサキを見つけてから、ほぼ連日でその場所で観察を続けました。中州の岸辺ギリギリに生えた柳の枝がどうもエサ場のようで、かなりの頻度で数頭が樹液を吸うところが至近距離で見られました。最初の写真がその場面です。このオスは長い口吻を木の裂け目に差し入れています。この柳が生えている場所は、ほんの少し前までは根元まで多摩川の流れが洗っていて水に入らなければ近づけなかった所だったのです。しかし、何時流れが変わったのか今は完全に干上がって砂礫の陸地になっていたので、こんな出会いも可能になったのでした。今も柳の根元には流されて来た大量の折れた木々や草、それにいろんなゴミまで引っ掛かっています。

そこで、例によって手乗りを試してみました。別にチョウの食事の邪魔をしているわけではありません。そっと指を差し出すと、殆どためらいもなく脚を乗せてきました。怖がる様子は全くありません。

 

そして、筆者の指に完全に乗り移って、舐め始めました。

自然界で人間が余計なことをしていることは重々承知していますが、差し出した指をそれほど警戒もせず乗り移り「食事中にうるさいが、ちょっとなら付き合ってやるか」と不承不承ながら応えてくれたコムラサキの気持ちが分かった(?)時の感激はひとしおです。もしかして、お互い意思疎通ができたかな??? これまでいろいろ試しましたが、コムラサキはどちらかというと人怖じしない親しみやすい部類のチョウだと思います。こちらが危害を加えないことさえ分かれば、あまり尻込みせず指にも乗り移ってくるところなどは、かえってこちらがうれしくなります。右手でカメラを構え、角度を変えながら何枚か写真を撮る。しばらくして、また元いた枝に近づけると、ご覧のとおりすぐに枝に戻り樹液に夢中です。

このコムラサキは日向では青く怪しい光を放つオスですが、この場所は木の下で半日陰になっているので、しかもこの角度から見たのでは殆ど茶色か、わずかに青みを感じられる程度にしか見えないのがとても残念です。

何はともあれ、この日はこの手乗りが出来たことで大いに満足でした。

(Henk)

参考 蝶図鑑 コムラサキ

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)