一時的なオアシス 31

いつの間に卵を産んでいたのか、このオアシスに置いたスミレ・カタバミ・ウマノスズクサの寄せ植えの鉢にまたもやツマグロヒョウモンの終齢幼虫がいた。この鉢のスミレは既に1世代前の4匹の幼虫によって無残に食い尽くされて見る影もなくなっていたのだが、それでも卵が産み付けられていたようだ。今このオアシスにはスミレ・パンジーの類の花は一鉢も置かれていないので、ある意味では残り少ない貴重なエサ場だったのかもしれない。ともかく、その後に新しく出た葉を食べたのだろう、大きく育った1匹の幼虫が鉢にとりついているのを見つけた。まだ10月の初めなので、まさかこの幼虫の姿のままで越冬することはないだろうと思いながら様子を見ていた。

すると1週間ほどしてこの鉢からいなくなったと思ったら、近くのローズマリーの枝にとりついていた。そして前蛹で逆さにぶら下がり、13日には小雨の中ついに蛹になった。写真の蛹は通常よりも黒っぽく、そばにはつい今しがた脱いだばかりの幼虫時代の皮がついたまま。このまま順調にいけば、今年最後の羽化が見られるのだろうか。

因みに、一昨年も11月上旬に同じようにこのローズマリーの木で蛹になったものがいて、ツマグロヒョウモンはどのように越冬するかを観察していた。通常ツマグロヒョウモンは幼虫で越冬すると言われるが、蛹で無事年を越し、これで蛹での越冬も証明されたと思っていた矢先、1月5日朝になって、突如鳥に食べられてしまったことがあった。その経緯については下記の二つの記事を御参照乞う。ただ、今回は、一昨年よりも1か月早く蛹になっているので、まず、このまま越冬することはなかろうと思う。おそらく後1-2週間のうちには羽化してしまうだろう。もし、羽化したのがメスならば、もう一度この場所に卵を産みに戻ってきて欲しい。そして、幼虫で越冬する姿を確認したいものだ。しかし、ほんとうのことを言えば、この蛹にもこのまま越冬して来春に羽化するところを見せてもらいたいと思うのだが・・・。

(Henk)

参考 蝶図鑑  ツマグロヒョウモン

「ツマグロヒョウモンはどのように越冬するのか?」 「可哀そうなツマグロヒョウモン」

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