クロマダラソテツシジミの謎(6)これが産卵か?
先日10月30日の「今日の一枚」でも取り急ぎご紹介しましたが、クロマダラソテツシジミの謎のうちの一つが少し解けかかったような気がしました。
というのも、近所のソテツに何日か通い続けた結果、偶然にもこの日クロマダラソテツシジミがこれまで全く無傷のソテツの芯の部分に止まり産卵行動をとっているところが目撃できたのです。
産卵シーン
2頭での産卵
メスがソテツの芯の部分のふわふわした綿のようなところに何度も腹を曲げて産卵の仕草を繰り返しているのでした。これは実際に産卵しているに違いないと思いました。卵は綿のようなところの表面には見えませんが、確実に中のほうに産み付けられているのでしょう。しばらくすると、もう1頭のメスも来て同じ行動をしていました。このソテツは3株あるうちのこれまでは全く食害らしい痕の無い健康なものですが、この日初めてチョウが何度も訪れるところを見ました。これで、この株もついにクロマダラソテツシジミの洗礼を受けることになったのでしょうか。
このチョウがこの地域(神奈川県北部)ではどのように越冬するのかはまだ分かっていませんが、もしこれが産卵であるなら、この地域での越冬の形態は「卵」ということになりそうです。ただし、卵がこのまま凍死せずに冬を越し、来年ちゃんと孵化できればの話ですが。因みに、何頭か舞っていた成虫の中に少し翅裏の模様の異なる「寒冷期型」と言われているものも1頭混じっていましたが、産卵行動をしていたのは通常タイプの個体でした。
寒冷期型の個体
(Henk)