クロマダラソテツシジミの謎(2)
3.「灯台下暗し」とはこのこと:
気落ちして帰宅途中、少し離れた先の道端に小さいチョウが2-3頭飛んでいました。ヤマトシジミかと思いましたが、見定めようと近づいてそのチョウより先に小さなソテツが植えられているのが目に入ったのです。とっさに「これだ!」と思いました。
実際、そこには10頭以上のクロマダラソテツシジミが飛んでいたのです。そう、それがソテツとクロマダラソテツシジミの謎が解け始めた第一歩だったのです。その場所は、ハイムからほんの200m程度の所だったのです。ハイムに来ていたクロマダラソテツシジミの発生源がもしここならば、これぞまさに「灯台下暗し」ということでしょう。その場所には、少しずつ離して大小3株のソテツが植えられていましたが、チョウが飛んでいるのはどういうわけかそのうちの一つのどう見ても一番貧相な一株の所だけです。その日はあまり天気は良くありませんでしたが、10頭ほどが飛んでいて、中に3-4頭のメスもいたようです。先ほどのガッカリから、一挙にテンションが上がりました。
4.観察開始:
その翌日からは、あまり天気の良くない日が続きましたが、小雨降る中でも出かけて行って、様子を観察することにしました。やはり、雨の中でもちゃんといました、ソテツの葉の陰に隠れるように1頭がじっとして。これは、一時的にこのソテツを利用しているようには思えず、明らかにこのソテツがこの何頭かのチョウの発生源であることは間違いなさそうです。そこでは常に10頭前後が舞っていて、別に花があるわけでもありませんが、遠くへ離れる気配が全くありません。おそらく3-4頭いるメスを中心にオスたちはその場を離れようとしていないのかもしれません。
その後、改めてそのお宅を訪ね理由を説明して、しばらく庭先のソテツとチョウを観察させてもらうことを了解を頂き、それ以降毎日観察することにしたのです。 ー続くー
(Henk)