クロマダラソテツシジミについて、ちょっと考えてみる

このチョウを初めて見たのは、今年の10月2日、ついこの間のことだった(最初の写真)。ハイムの花壇でウラナミシジミ・ヤマトシジミに混じって吸蜜していた。最初はウラナミシジミかとも思ったが、よく見ると翅の模様が少し違う。そして、後になってそれがクロマダラソテツシジミというソテツを食樹とする南方のチョウであることが分かった。もともとは日本にはおらず1992年ごろ沖縄で初めて発見されたらしいが、繁殖力が強いようで発見されて以降棲息地域を広げ、九州・西日本、さらには関東あたりでも目撃されるようになっているらしい。それが、ハイムにも表れたということだ。一説にはソテツに付着して棲息地域を広げているとも言われる。
昆虫などの生物が植物の移植によって、植物と一緒に他の地域へと移動することは容易に想像できる。似たような話で、西日本で多く見られるクマゼミだが最近はハイムでも時々声をよく聞くようになった。まだまだ数は少ないものの、おそらく西日本などから移植されたクスノキの根土にいたクマゼミの幼虫が移植地に定着したものと思われる。因みに、ハイムにはクスノキが91本植えられている。

このクロマダラソテツシジミ、本当にソテツに付着して北上してきて、この近くにでも定着し始めたのだろうか? 個体の新鮮さを見る限りはこの個体が最近どこかこの近辺で羽化したばかりのもののようだ。だとすれば、その場所はどこなのか? これまでこのチョウをこの近辺で見たことがなかったので、最近新たにソテツを植えたところでもあるのだろうかと漠然と考える。

今日(10月16日)で初見から2週間がたつが、雨の日、寒い日など2-3日は見ない日もあったもののハイムの同じ花壇にほぼ毎日のように現れている。最初は1頭だけが迷ってきたのかとも思ったが、どうもそうではない。複数の個体が入れ替わりやってきている。というのも、翅の傷み具合などがみな微妙に違い、それぞれの羽化した時期にもかなりの幅がありそうに思える。昨日もまだまだ羽化したてのような雌雄の新しい個体を見た(後の2枚の写真)。やはり、この近くに発生しているところがあることにはもはや確信が持てる。しかし、その場所が依然分からない。ここ1-2年で新たにソテツを植えたところはないか、ハイムに出入りの植木屋さんにも尋ねてみたが、情報は得られなかった。第一、ソテツは非常に場所をとるし(昔、関西地方の学校などの正門近くにドーンと大きいソテツが植えられていたことを思い出した)、余程の邸宅でもない限りそう安易に選べる樹木ではない。まして寒さに弱いこともあり、時々にせよ雪が降り、霜も降りるこの地域で好んで植える人がいるのだろうか? またそれとは別に、最近は小さいサイズの観葉植物としてのソテツとかその仲間などが通信販売までされているようだが、そちらの可能性もあまりないように思う。観葉植物として販売されているなら事前に病害虫の処理はきちんと施されているだろうし、万が一その観葉植物に青虫がついていればソテツの新芽が喰われることになるのでチョウになる前に持ち主に駆除されてしまうのがオチではなかろうか(笑)。
今はソテツにこだわっているが、もしかすると、このチョウは食樹と言われるソテツ以外にも野外で何か他の植物を食べることが出来るようになっているのではないかとさえ思いたくなってくる。北上する先々に十分ソテツがあればよいが、無ければ他の物で代用することは果たしてないのだろうか?そんなことをとりとめもなく考えてはみるが、やはりチョウ自身の寒冷対応と食草・食樹確保の問題はそう簡単なことではなさそうに思う。

ともかく、クロマダラソテツシジミに関するいろいろな疑問は解決されないまま、どうも来年にまで持ち越されることになりそうだ。

(Henk)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)