多摩川を遡って ギンイチモンジセセリ

この二年、我々の住む近くの多摩川にはギンイチモンジセセリの姿はほとんど見なくなってしまった。それでも相棒のmatsさんは去年、今年と、一回ずつだが撮影している。しかし私は全くお目にかかってさえいない、それ以前はもっと見られたのに。一昨年秋の台風時の大増水の影響によるこの近辺での絶滅(?)を心配しつつも、ギンイチモンジを何とかもう一度見てみたいという気持ちが強くなった。それはmatsさんも同じ。ということで、今日(4月25日)はこれまでに知人から聞いていた情報をたよりに、二人で多摩川を10km遡ってみることにした。
やはり、そこには、・・・・いた。聞いていた場所とはかなり離れていたが、2頭見ることができ、こうして写真にも納めることが出来た。私にとっては2年ぶりのギンイチモンジセセリであった。
ふつう河原にはこのチョウの食草であるススキの類は生えているので、どこの河原にいてもおかしくないはずだが実際はそうでもないのだ。このチョウにはセセリ類に特有のあの敏捷さは全く感じられない。飛行能力そのものがあまりよくなさそうで、通常でも低くヨタヨタと飛ぶ。はばたくスピードが他のセセリに比べ非常におそい。ただ、あまり止まらずに長い間低空飛行を続ける。しかし、河原づたいとはいえ、あまり遠くまで移動して生息範囲を積極的に広げるようなタイプでもなさそうだ。
今日は朝早かったからか何度も草に止まってくれたが、通常はヨタヨタしながらもずっと飛び続けてなかなか止まらないため、追いかける方にとってはちょっと大変なところもある。他のチョウのように高く飛んで一挙に逃げられるということはないものの、見失わないようにカメラを構えて枯れたススキやカヤなどの茂った間を縫ってというか、突っ切って進む。そして、手に引っかき傷を作ってしまうことになる。

(Henk)

参考 蝶図鑑 ギンイチモンジセセリ

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