<質問>犬にはマーキングという行為があり、自分のなわばりを意識しているといいいます。チョウには、「なわばり」はあるのでしょうか?
▼答えを見る してみると、なわばり(テリトリー)があるように思えますが、そこにその動物の必要とする食べ物や休息できる場所、異性などがいて生活が保証されること、そして他の昆虫に領域を侵すことを許さず、侵入者は追い払うという行動がなければなわばり(テリトリー)とは言えないでしょう。 林や山の一部で、高さや樹木のなくなるところなど、ある一定の条件の場所にいてその外には飛んで行かないチョウならあります。しかし、侵入してきたチョウを追い払うという防衛行動は見られないようです。 また、自分と利害関係のないコガネムシやバッタがいくらいても追い出さず、チョウであっても種類が違えば知らん顔で、そこにはひとつの住み分けによる昆虫世界が成立しています。まるで、なわばりが重なり合って共存しているかのように思えます。 ただ、モンシロチョウが小松菜やキャベツ畑に何匹もおり、そこにスジグロチョウがやってくると大勢で追い払うという行動に出ることが観察されています。この場合には、なわばり(テリトリー)を意識していると言えなくもありません。
<チョウとなわばり>
チョウには大きな翅があって何処へでも飛んで行けそうですが、どこにでもいるという訳ではありません。ミヤマ○○、タカネ○○と名前のついたチョウはある高さの山にしかいませんし、ヒカゲチョウ、ジャノメチョウは木のかげなど、薄暗いところにしかいません。