ウスバカゲロウ

久しぶりに多摩川土手で翅の生えたウスバカゲロウの成虫を見た。これが土にすり鉢状の穴に潜んで通りかかるアリを狙っているアリジゴク(蟻地獄)の最終の姿かと思わずにはいられないほどの大変身ぶりだ。カゲロウと言えば、はかない感じを想像してしまうが、それは薄緑色のクサカゲロウのせいかもしれない。それに比べこのウスバカゲロウはクサカゲロウと姿かたちは共通点はあるが、5㎝程もあり、比較的しっかりとして、はかなげな印象からは程遠い。

ただ、この写真を撮るのには少し苦労した。というのも、この時ウスバカゲロウは細い竹に止まっていたのだが、横から撮ろうと回り込むとくるっと丈の反対側に回り込み竹で隠れてしまう。そこでこちらが角度を変えると、またもや反対側に回り込んでしまう。これを何度も繰り返し、やっと横から翅が透けて見える角度で撮ることができた。幼虫時代の強面の姿からは想像もつかないほどのシャイな性格なのか・・・。幼虫時代の姿を昔のファイルから探し出したのが下の写真だ。しかし、思い出してみれば、この幼虫もこんな鋭い牙を持っていながら、決して前には進まない。移動するときは常に尻を振りながら後退りする癖があった。そして後ろに下がりながらクルクルと回って、器用にすり鉢状の穴を作ってその底に沈んでしまった。

(Henk)

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