女神の誘惑

筆者がはじめてギフチョウを見たのは2019年のことで、それ以降毎年この時期になると「春の女神」に会いに行く誘惑にかられる。最初の時が情報不足のまま出かけて大変苦労したこともあって、ギフチョウは個人的にも特別印象深い存在でもある。

今年も満を持してmats氏と出かけた。着いてみると殆ど人がいない。いつも大勢の人がいるのだがこの日はおかしい。後で分かったことだが、高速道路が大渋滞で車で来る人たちは軒並み大幅に到着が遅れたのだった。我々は9時に山を登り始め、頂上で撮影開始。ここには既に数人がいたが、頂上には花が殆どない。今年はスミレも少なく、モミジイチゴの花もない。ということで、地べたに降りたところを撮ることになり、味気の無い写真になってしまうがやむを得ない。mats氏のように飛んでいるところを撮るのは私にはハードルが高すぎる。殆どの人は地面に下りるのを待って一斉にカメラを向ける。同じ個体をそれぞれの角度で撮るので、止まった方向で写真の出来不出来が分かれるのも仕方がない。なかなかいい角度に回り込むということもし難い。冒頭の3枚がそのうちのものだ。

山を降りてみるとそこには大勢が満開のミツバツツジの前でカメラを構えてまっている。しかし、なかなか女神は姿を現さず、皆手持無沙汰の様子。待つ間に撮影の対象は自然と他の物へと移っていく。もう何でも写そう、という感じになっているようだ。ギフチョウを撮りに来て、関係ないものばかり撮ることになる。ギフチョウだけを狙っているので「今日はまだ一度もシャッターを押していません。」という人もいた。皆さん遠方から来ているだけあって、そう簡単には諦めきれない、我慢強くひたすら待っている。そこへ1頭現れるとわずかな時間に一斉にシャッターを切る。今年も1頭で20人以上を惹きつけている。

(Henk)

参考 蝶図鑑 ギフチョウ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)