こちらを見つめている?

先日の飼育していたコムラサキが飛び立つ前の写真を見て、ある方が「チョウに瞳ってあったかな?でも、そんなわけないか。」とつぶやかれました。確かに、どの写真を見てもチョウがこちらを見つめているように写っています。どの方向から見ても眼の中心部の黒い部分がこちらを向いているようです。まるで瞳のある動物の眼のようにも見えますね。

チョウなどの昆虫は複眼(単眼という眼が千数百、種類によってはそれ以上もよりあつまった眼)を持っていて、構造的に動物の眼のような瞳があるわけではありません。しかし、どことなく瞳があるようにも見えるので、これを「偽瞳孔」と呼んでいますが、チョウのすべてがそうであるわけでもありません。例えば、アゲハ類やシジミチョウ類・セセリチョウ類などは黒い艶やかな円らな眼をしており、偽瞳孔はタテハチョウ類とかシロチョウ類に多く見られる特徴のようです。また、タテハチョウ類の中でもジャノメチョウ類の眼はコムラサキに見るような眼とは少し違った感じで縦に幾筋か線のような縞模様が見られます。

この偽瞳孔の眼を持っている他の代表的な昆虫と言えば、カマキリです。どこから見ても、険しい表情(?)で常にこちらをジッと睨み返してくるように見えます。特にカマキリがこちらを振り返った時の眼には迫力を感じます。

偽瞳孔を持つチョウ:

コムラサキ キタキチョウ アカボシゴマダラ
ヒメジャノメ ヒメウラナミジャノメ クロヒカゲ

 

偽瞳孔ではないチョウ:

ナミアゲハ アオスジアゲハ ミヤマチャバネセセリ

 

偽瞳孔を持つカマキリ

(Henk)

参考 蝶図鑑 コムラサキ キタキチョウ アカボシゴマダラ ナミアゲハ アオスジアゲハ     ミヤマチャバネセセリ ヒメジャノメ  ヒメウラナミジャノメ クロヒカゲ

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