一時的なオアシス 15  

先日のカラスアゲハの蛹が寄生バエのため2つとも羽化直前で死んでしまった後、今度こそはと早めに飼育箱に隔離(保護)した別の木にいた幼虫でしたが、やはりこれも同じように寄生されてたことが分かりました(最初の写真)。初めての中野島生まれのカラスアゲハが見られるかと大いに期待していただけにとても残念な結果に終わりました。
幼虫がいつ寄生されたのかを知りたくていろいろ調べてみると、寄生バエの意外な一面も分かりました。このハエはマダラヤドリバエという種類ですが、幼虫に直接卵を産み付けるのではなく、チョウの幼虫が食べる食草にごく小さな卵を産み付け、それを知らずに食べた幼虫の体内で育ち、チョウが蛹になった段階で外に出てくるようです。その時、蛹からドロッと糸を引く粘液のようなものと一緒に出てくるとのことで、先日のカラスアゲハでも確かに蛹から糸を引いているのが見られました。

一方、同じ時期に保護したジャコウアゲハとアゲハの幼虫は順調に蛹になり、寄生からも逃れて相次いで羽化することができました。この差は一体何なのでしょう? 単なる運・不運の差だけでしょうか。オアシスで卵からチョウにまでなれたのは、アゲハとジャコウアゲハだけで、クロアゲハは終齢の段階で行方不明になっていました。しかし、もしかするとこちらはどこか目立たぬ場所でこっそり蛹になっていたかもしれません。6月24日朝、ジャコウアゲハが羽化したので放してやろうとオアシスに行くと、その同じ時刻にクロアゲハがオアシスで翅を休めながらゼラニウムの花で吸蜜しているではありませんか!まさかとは思いますが、もしかしたら、これは先日行方不明になっていた子だったのでしょうか?

以下の写真は、保護した後無事羽化したオアシス生まれのジャコウアゲハとアゲハです。いずれも最初の写真は飼育箱の中。

ジャコウアゲハ

アゲハ

(Henk)

参考 蝶図鑑 カラスアゲハ  ジャコウアゲハ  アゲハ  クロアゲハ

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