春を待つ

チョウが翅をはばたかせて活動できる時期は限られる。寒い冬の時期はそれぞれの方法で乗り切り、春を待つことになる。なぜそのように違った方法をとるのか分からないが、あるものは卵で、またあるものは幼虫や蛹の姿で、さらには成虫のままで寒い冬を越すものもいる。実際に越冬している状態ではなかなか見つけることが難しいが、身近なものをいくつかご紹介しましょう。

1.卵での越冬:
ウラゴマダラシジミ。
6月に食樹であるイボタの細い枝先の股のところに産み付けられた独特の形をしたピンク色の卵が5個見える。この状態で約1年、夏・秋・冬を越して翌年5月頃に孵化する。今見えている葉は秋にはすべて落ちるので、幼虫は来春に出た新芽を食べて成長する。

2.幼虫での越冬:
アカボシゴマダラ。
この時期には殆どエサも食べず、もうほとんど動かない。この幼虫はこの翌日この場所にはいなかった。おそらく、このエノキの根元の落ち葉の下に潜り込んでそのまま冬を越すことになったのだろう。来春、エノキの新芽とともに活動を開始するはず。

3.蛹での越冬:
アゲハ。
蛹がどこにいるか分かりますか?中央部分、越冬蛹はサンショの枝の一部と見まがう茶色をしてる。

ジャコウアゲハ。
食草のウマノスズクサを離れて、我が家のベランダの壁で蛹になった。

ツマキチョウ。
これは飼育していたものだが、今年4月末に早々と鋭い棘のような形の蛹になった。暑い夏も、寒い冬も越して、来春3月頃の羽化を待っている。すぐ隣にもう一つまだ緑色の前蛹が見えるが、これはついに蛹になれずに途中で死んでしまい、今は一つだけ。

4.成虫での越冬:
ムラサキシジミ。
このチョウは冬場は成虫が何頭もが集団で過ごす習性がある。これはたった2頭だけだが、アラカシの生垣のあまり風が当たらないところで翅を小さく畳み触角もすぼめて身を寄せ合っている。しかし、冬でも暖かい日には時々日向ぼっこに出てくることもある。

ヒオドシチョウ。
タテハ類には成虫越冬をするものが多い。真冬でも運が良ければ日向ぼっこに出てきたところを見ることはでき、完全に活動停止ということでもない。3月も中旬を過ぎるとそろそろ活動を始め、こうして姿を現す。ただ、越冬明けのものは、このヒオドシチョウもそうだが、鱗粉も剥がれ落ち翅の縁はかなり擦り切れてしまっているのが殆ど。羽化からは既に半年以上たっているので無理もない。

ルリタテハ。
このルリタテハも越冬明けのもの。これから活動開始。

 

読者の皆さん、今年一年もご愛読いただき誠に有難うございました。
厳寒の時期、我々二人もチョウのようにしばし越冬態勢に入る(?)かもしれませんが、また来年もよろしくお願いします。
皆さん、よいお年を!
(Henk)

参考 蝶図鑑 ウラゴマダラシジミ  アカボシゴマダラ  アゲハ  ジャコウアゲハ
ツマキチョウ  ヒオドシチョウ  ムラサキシジミ  ルリタテハ

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